幼稚園の教育/園長より

園長 平田嘉之

大規模で人数の多い幼稚園ですけれど、子ども一人ひとりを大切に育む、とてもめんどう見の良いところです。

1. 子どものこと(幼児期の特性)

幼児期は生涯のうちで、乳児期に次いで最も成長の目ざましい時期です。この時期の環境が子もに及ぼす影響はとても大きなものです。
幼児期は頭の発達が盛んです。この時期の子どもが一日に歩く歩数は、大人の二倍近くにもなります。ちっともじっといしていない、これが子どもの自然な姿です。
幼児期は人間の感情や情緒が非常な速度で発達する時期でもあります。幼稚園が終る頃には大体その人間の人格ができ上がってきます。だからこそ、この時期の子どもにふさわしい経験をつませてあげることが大切なのです。

2. 子どもをとりまく環境のこと

地域の異年令の子ども集団がなくなってしまいました。
昔の親は、「手をかけるな、目をかけろ」 といって、ある程度放っておいても子どもが自然に育っていく環境にありましたが、いまは、そうはいきません。 「公園デビュー」 などといって常に親がそばにいて、遊びまでコントロールしてあげないといけない時代になってしまいました。
けれども、子どもたちの (気持を切りかえたり、人間関係を調整したりする) 情動は実は友達との実体験によって、ぶつかりあい小さな危機をのりこえていくことでしか、伸びていかないのです。
動能力が急速に低下しています。
上に記したように、子ども達はおにいさんおねえさん達にひっぱられたり、教えられたりしながらあそんで来ましたが、その集団がなくなったこと、そして1983年ごろファミコン等の一人であそべるゲームが登場したことによって、身体を使ってあそぶことが少なくなりました。ですから運動能力(例えば、かける、とぶ、なげる等)が急速に低下しています。あわせて、工夫する場がないこと、考えることのおもしろさを感じないことなどが問題として指摘されはじめています。

3. しらいとだいようちえんの教育

つまり、こんなに子ども達にとって大切な時期なのに、彼らをとりまく環境は確実に悪くなっているということなのです。
ですから、しらいとだいようちえんでは、お子様がいろいろな経験をすることで、しっかりと大地に根をはって風や雨にもびくともしない人になれるように2年間3年間を見通して、集団の中で、たくさんのおともだちと触れあいながら、大きく分けて、二つの経験をして欲しいと思っています。

具体的には、

「必要な経験」
集団の中で、これから生きていくために必要なルールとマナーとエチケットを身につけ、社会生活のしくみや規則、他人へのおもいやりを経験して行きます。
「良好な経験」
友達や先生との良好な関係の中で、あそびを通して自主、自立、努力、忍耐、友達と自分との違いを認め、思いやり、友達と協力・共同する気持を身につけていきます。
また、園の畑や裏山で、野菜を収穫したり虫をつかまえたりすることで、生物や植物に対する興味や関心をたかめ、そのことにより慈しみの心が持てるようになります。

私達は 「またあした」 と期待をもって帰れるような、楽しい保育環境づくりにつとめています。

当園では、教育基本法、学校基本法そして幼稚園教育要領を基盤に、「明るく楽しい園作り」 「正しい幼児教育」 の方針のもと、恵まれた環境の中で、お子様達が、さまざまな経験を積むことによって 「すなおな心に元気なからだ」 をもった 「創造性豊かなこども」 に育っていくことを目ざします。

恵まれた環境の中で、子ども達がのびのび育つことこそが私達の願いです。